てれひこ屋

日記&雑記帳。日常で感じたこと、好きなゲームのこと、いいと思った音楽のこと、自分のことを入れて煮詰めるための坩堝です。

エリック・サティとの出会い


CMのBGMだったサティ


エリック・サティ
ジムノペディ1番 や Je te veux なんかは聴けばわかるだろう。とにかく有名な曲だ。
私が初めて聴いて認識したサティもジムノペディだった。
ちょうどCMで使われていてとても印象深かったのだろう。
ジムノペディ」とは、裸の子供たちが神様に踊りをささげる儀式『ジムノペディア』からインスピレーションを受けたサティが作った造語。



いつの間にか、ひねくれ者の音楽に引き込まれていた


小学生の頃ピアノを習っていたが、練習はとにかく苦痛だった。
何も面白くなかった。練習曲なんて世の中のどこにも流れてないじゃないか。
単調で印象深いメロディなんてあったもんじゃない。
たまに同級生が自慢げに弾いていた曲を練習し始めると、少し気持ちが揚がる程度の楽しさしか感じられなかった。

有名な曲や聴いたことのある曲なんてまったく弾かせてもらえないのもピアノの練習が嫌いだった一因だ。まあ、弾きたい曲をちゃんと言えば先生だって練習させてくれたのかもしれないが、別にそういう曲もなかった。


そんなときに聴いたジムノペディは子供心になかなかショックだったのかもしれない。
薄暗い雨の日のような憂鬱さを感じる曲調に多少なりとも惹かれていたんだろう。
心惹かれる曲であるにも関わらず、ジムノペディというのは非常に音が少なくて耳で覚えやすかった。

私にだって有名な曲は弾けるんだ!
なぜか意地になってジムノペディのさわりの部分を耳コピーし始めていた。



今になって思えば、完全にサティ大先生の思うつぼというか、「練習曲なんてつまらないだろう、僕の曲を弾いてごらん」と唆されていたのかもしれない。



エリック・サティとはそういう人だ。
ピアノを習っていた人なら一度は聴いたことのある曲をパロディ化し、その楽譜に書かれた奇妙な文章では練習曲を悲しげだなどという。
「練習曲なんてクソ」という声が聞こえてきそうだ。
とにかくサティは少し変わった人だったそうだ。


小学生高学年になって、発表会でジムノペディを弾くことになった。
今度は耳コピーじゃなくてちゃんと楽譜を見て、全部弾く。
ここで初めてサティの楽譜をと向き合った。
改めて聴いてみてもやっぱり好みの曲調で、珍しく練習していて楽しかった。
初めて2番や3番も弾いてみようかなと自分で思ったのも覚えている。弾きませんでしたけどね。


それから時間を経て大学時代。
CDショップでたまたまクラシックの棚を眺めていたらサティの曲集があった。
見覚えのあるジムノペディの文字。
ちょっと聴いてみようかなと思って購入。たったの500円。激安クラシックのCDはやたら安い。

時間をかけて何度かBGMとして聴いていくうちにすっかりサティの魅力にハマっていた。
それまでクラシックなんて面白くないと思っていた私の固定概念が崩されていった。

なんだこれ、めちゃくちゃオシャレな曲じゃん
そんな風に思える曲がたくさんあった。

聴けば聴くほどサティの楽曲は現代的なものに感じられていく。
微妙な感情のニュアンスが表現されているようなメロディたちにどんどん引き込まれていった。

私が初めて買ったサティのCDはamazon prime会員ならタダで聞けてしまう

エリック・サティの世界(ピアノ名曲集)
「サティといればこれを聴くべき!」的な曲をある程度網羅している。大変おすすめ




サティを聴かなければ知ることのなかった音楽たち



サティのピアノ曲にハマってしばらく。
amazon primeで聞けるmusicでクラシックピアノ曲を聴きあさっていた。
ほとんどの音楽は琴線にちっとも触れなかったが、稀に気になる曲も見つけられた。

今では作業中のBGMはもっぱらラヴェルだったりする。
サティちゃうんかーい!という声が聞こえてきそうだが、私は大変な正直者なので白状しておくことにする。

サティもラヴェルも、今から100年くらい前にパリで活躍した作曲家。
100年前。かなり最近のこと。でも100年前。なんだか感慨深い。
なおサティはラヴェルの頃を嫌っていたそうな。サティはドビュッシーと交友関係があり大変仲良しだったそうだ。
私はドビュッシーに関してはそんなに興味がない。ごめんなさい。
この3人が同じ時代に同じ国で活躍していたなんて、フランスすげー。さらにいうと かの有名画家ピカソサティと知り合いだった…はず。

さらにラヴェルの楽曲を通じてボロディンという作曲家も知った。
ボロディン韃靼人の踊りというオペラの曲を作った人だ。
のだめカンタービレでも演奏されていたので知っている人も多いだろう。
ボロディンもなかなかすごい人で、化学者でありながら作曲もしていたという才能あふれまくりマンだ。

ペラ「イーゴリ公」より「韃靼人の踊り」

出だし部分がとてもきれい。幻想的な雰囲気から始まる。
途中の力強い曲調の部分もかっこいい。
 
こうしてたくさんの曲素敵な曲に巡り合えた原点はサティに回帰する。
思えば小さいころからずっと続いていたのだと気付いた。
私の好きな音楽を語る上で、サティは外すことのできない存在だ。

Amazonのアソシエイトとして、当メディアは適格販売により収入を得ています。