てれひこ屋

日記&雑記帳。日常で感じたこと、好きなゲームのこと、いいと思った音楽のこと、自分のことを入れて煮詰めるための坩堝です。

【れんげ荘 物語】『働かないの』 読破

れんげ荘物語第二弾『働かないの』を読み終えました。

第一弾『れんげ荘』を読み終えてから少し時間が空きましたが、特に問題なく入り込めました。

 

『働かないの』は第一弾と比べて特に物事が大きく変化する様子はありません。相変わらずれんげ荘で暮らしている主人公・キョウコの姿に焦点が当てられています。

 

ここからは『働かないの』の内容に触れながら感想を書いていきます。これから読んで見ようかなと考えている方は要注意です。

 

 

『働かないの』では、キョウコがれんげ荘で生活していく中でまだ心の中に引っかかっている事(母親のことや、キョウコ自身の事など)をふと考えてしまって悩んだり、喫茶店でたまたま目にした刺繍にときめいて刺繍を始めてみたり、隣室に新たな住人・チユキ がやってきます。

 

印象的すぎる『働かないの』というタイトル。おそらく作中の区役所職員との会話で「私は自分が好きで無職なんです。」とキョウコが自分の意思をズバッと伝えた場面から来ているのではないかと思います。

キョウコは自分の意思で仕事を辞めて、そのことに関して全く後悔していないのだということが改めて感じられます。

この区役所職員との会話は結構読んでて楽しかったです。タナカイチロウの上滑りするような仕事っぷりと、絶対に働かないキョウコの会話は妙に滑稽に感じられました。

 

 

今回キョウコが刺繍に挑戦し始めます。

私もほんの少しだけ刺繍をやった経験があるのですが、一針一針地道にチクチクやるあの作業は時間が無いとなかなかできません。でも完成作品は刺繍独特の雰囲気がありますし、時間があって真面目なキョウコには合ってるなぁなんて思いました。

 

『働かないの』中、一番の出来事といえば何といってもれんげ荘の新しい入居者・チユキさんです。モデルのようなプロポーションをもち、年齢も若い彼女。一見れんげ荘には合わなそうな感じもするのですが、とっても素直な性格で、キョウコやクマガイさんともすぐに打ち解けます。チユキさんはリアカー1台に乗るだけの荷物をもってれんげ荘に引っ越してきました。物の少なさからもれんげ荘の住人らしさを感じます。

チユキさんに関しては作中の行動や言動など、まったく嫌味がなくてとてもいい子です。いい子過ぎます。

 

 

今回お隣のクマガイさんの出番は控えめですが、やはり れんげ荘の良き先輩としてキョウコを助けてくれます。

前作『れんげ荘』での出来事から、クマガイの性格がすこ〜し穏やかな感じになっていました。前作のクマガイさんは、いうなれば「パワータイプのもたいまさこさん(?)」で、元気に体操しているイメージが強かったのですが、『働かないの』では「いつものもたいまさこさん」で表現できそうなくらい穏やかにキョウコを見守ってくれます。

『れんげ荘』では、クマガイさんは物置小屋に住むコナツさんをあまり良く思っていませんでしたが、『働かないの』ではそれも解消されています。クマガイさんがますます良い人になってしまったのでやっぱり「いつものもたいまさこさん」です。

 

 

『働かないの』は展開が比較的緩やかに感じられましたが、キョウコの心の動きなどはやはり繊細に変化していて、今後の展開がまた気になるような感じでした。

 

今年に入ってから、結構小説を読んでるなぁと自覚しています。普段から読書の習慣がある人に比べれば全然読んでないですが…

群ようこさんの作品はとても読みやすいし、内容も共感しやすかったりあこがれを抱けたりするような感じなので、まだまだこの読書熱はしばらくもつだろうなぁと感じています。

本棚の空いていたスペースに立てかけてみました。

次は『かもめ食堂』か『三人暮らし』を読む予定でいます。

 

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