たまには母と映画鑑賞でもしようということで、ちょっと前に話題になってたなと感じた『コーヒーが冷めないうちに』を見ました。
母親によると「映画化すると小説も売れるよね〜!」ということだったので、原作小説もあるんでしょう。その話と、『コーヒーが〜』の主演が有村架純さんだったことから、見始めて数十分くらいで(あ、これは有村架純ちゃんと男がチュッチュする話か)と思いました。まあ、120分の1くらいは確かにそのとおり…だったんですが…
全体としては結構いい話だったといったところでした。かなり気に入る人もいると思います。内容は結構良かったです。
若干ファンタジーっぽい感じですが人間ドラマが主軸にあるので、子供からお年寄りまで幅広い年齢層が楽しめそうな感じです。
下ネタもなくふわっとした真面目な映画なので、家族で映画鑑賞となったらおススメできます(下ネタは場合によってはマジでご家庭が凍結いたしますからね)
今回amazonの500円くらいでレンタルしてみました。
人の顔の区別がつかない私でも知っているような人が多かったので、比較的個性派の人、大御所の方が多く出演されてたのだと思います。
結論を先に言えば…
Amazonで500円でレンタルする価値はありました。
ここだけは声を大にして言っておきます。結構よかったです。
ネタバレありの感想ではあれこれ言いますけど、500円で見れるのならお得もお得です。人にもよりますが、おそらく感動できます。
以外、ネタバレありの感想になります。
記憶を頼りに書いている部分も多いので、細かい誤りはご了承ください。
『コーヒーを冷めないうちに』は2018年9月に公開された映画です。比較的最近の映画ですね(2019年3月現在の感想です)割と最近一生懸命宣伝してた記憶があったので、まあ間違いではないかなといったところ。
あらすじとしては
ある喫茶店。ある席に座りコーヒーを淹れてもらうと、座った人物が深く念じた時間にタイムスリップできる。しかし、それにはいくつか条件がある。たとえば、タイムスリップしてもその喫茶店の中だけの話だとか、過去を変えてもそこから未来は変えられないだとか。
喫茶店に馴染みのある人物がそれぞれの理由でタイムスリップし、それぞれやり残したことや聞きそびれたことなど目的を果たしてそれぞれの未来に向かって進んでゆく。映画中では4,5人ほどの人がタイムスリップしています。(正確にはもっとかも)
純粋に楽しめたのは3人目のタイムトリップ者(?)まで。
最初にトリップしたのは、なんとなくお互いに恋心を抱いていた幼馴染が、アメリカへ旅立ってしまったのを何も言えず見送ってしまった清川二美子(波留)。
二人目は妹が事故で急逝してしまった平井久美(吉田羊)。
ここまでが前半~中盤にかけてのタイムトリップ者です。
個人的に「孤独のグルメ」が大好きで松重豊さんもすごく好きなので、この映画に出ていることがわかるととてもうれしくなりました。
人それぞれお涙ポイントは違うとは思いますが、私がもっとも感動したのは房木さん(松重豊さん)のストーリーです。
認知症の妻・高竹佳代(薬師丸ひろ子)がまだ認知症を発症して間もないころ、房木はまだ高竹の認知症を知りませんでした。房木はそのころに戻って高竹とはなしをします。
この時の二人の演技と演出が泣けるんですよね…。
この映画は4回泣けることが売りのようなのですが、私が感動した2回のうち、唯一涙を流したのはこの房木のタイムスリップ~戻った直後のシーンでした。
高竹さんと房木さん。二人が会話を交わす背景の写真はすべてピンク色っぽい写真で統一されています。二人が愛し合っていて、信頼していて、素晴らしい夫婦関係のまっただ中にいるんだなぁと思いました。
高竹さんは、房木さんに「自分が認知症であること」をなかなか告白できないでいます。高竹さんはとても聡明な人物です。ですから、房木さんが未来からやってきた房木さんだということもすぐ見抜いてしまいます。
そこから交わされる高竹さんと房木さんの会話がとても心に来るのです…。
「3年後の君も、きちんとやっているよ」という房木さん。それは嘘なんだろうなと察しているだろう高竹さん。優しい房木さんと聡明な高竹さんの間の会話は、言葉じゃなくてもすべてが伝わっているようでした。
薬師丸ひろ子さんと松重豊さんの演技も相まって、素晴らしいシーンだったと思います。正直言えばここがこの映画のクライマックスくらいに感じました。思い出しただけで泣ける。
後半は主演の有村架純さん演じる「時田数」と伊藤健太郎さん演じる「新谷亮介」の物語。
喫茶店にいる幽霊の正体に関しては、数の「あの人は亡くなった旦那さんに会いに行ってああなった」という話から予想は容易にできました。予想できなかった人は新谷とマスターの時田流(深水元基)の話で衝撃を受けたことと思います。ある程度予想を立てた後の「あぁやっぱりね。」よりは、「えぇ、そうなの!?」のほうが物語を楽しむうえではいいだろうなぁとは感じます。
原作がある映画にありがちな、主演女優と主演男優のキスシーンは本当に苦手なので『コーヒーが~』にも軽いキスシーンと添い寝シーンが出てきたときは結構がっかりしました。添い寝シーンは二人とも服を着ていたので、やましいことが何もなかったのだと解釈しました。心から安心しました。でも…
あ~そうですよね、これがやりたかったんですよね~くそがっ!!!と思ったのもつかの間、物語が後半に進むと、意外な事実がわかります。頭の冴えている方ならある程度予想できることなのかもしれませんが、私は数とそのお母さんの真実に関してはかなりぐっときました。
原作ではどうなっているのかわからないのですが、映画はきっと展開を少し変えていると思います。
物語の設定から、様々な結末が予想されると思います。映画は万人受けするラストが好まれるのだと思いますが、「コーヒーが~」に関しても後味の悪くないラストでした。
以上、感想的なものでした。
以下余談になります。
タイムトリップした人たちは口々に「思ってたよりぬるい!」と口にします。
すごくよくわかる。
インスタントコーヒーなんかだと、ポットで沸騰したてのお湯を使うので熱いんですが、きちんと淹れるコーヒーってすごく飲みやすい温度になってるんですよね。
紅茶と違ってコーヒーは沸騰したてのお湯よりも少し低い温度のお湯で淹れて、冷めにくいように厚手のカップで飲むんだそうです。だからこそ、映画中の人々が「思ってたよりぬるい!」というのは間違いでもなんでもないのだと思います。
私はコーヒーも好きなんですが、どちらかというと紅茶のほうが魅力的に感じるので、最近のコーヒーブームは低めの見物をしています。
『コーヒーが冷めないうちに』は思っていたより面白い映画でした。
ちょっと感動したい方、とても暇な方、なんとなく映画を見たい方には心からおススメします。