てれひこ屋

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【れんげ荘物語】『ネコと昼寝』読み終わりました

ネットで頼んでおいた本が思っていたより早く届いたので、とりあえずれんげ荘物語の続きを読んでみました。

今回読んだのはれんげ荘物語 第3弾『ネコと昼寝』です。


ネコと昼寝 れんげ荘物語 (ハルキ文庫 む 2-10)

 

本作のタイトルからわかるように、群ようこさんお得意の猫が出てきます。

しかしながら、内容的にはやっぱり主人公・キョウコとれんげ荘の住人との関わり合いや、キョウコ自身のことが中心です。

今回珍しくれんげ荘の住人が全員そろってアパートにいるので、なんだかにぎやかに感じます。

 

以下ちょっと適当な感想です。

 

 

旅人を職業にしているコナツさんが帰ってきます。いままでも何度かコナツさんと会話する場面はありましたが、基本的にすぐ旅に行ってしまっていたので、ずっとコナツさんがれんげ荘にいるというのはなかなか珍しい光景でした。

 

女性一人の海外旅行は危険なことも多く、あまりあちこちに行けなくなってきているということで帰ってきたコナツさん。しばらくはれんげ荘にとどまりながらバイトをして生活していくということで、キョウコはバイトに行くコナツさんを何度か見かけ、挨拶します。

 

コナツさんは徐々に疲れた表情をするようになり、顔には吹き出物ができてしまいます。自由奔放そうに見える彼女ですが、慣れないバイト生活はかなりつらいもののようです。

おまけに狭い倉庫に住んでいるため、食事はほぼカップラーメン。よくてコンビニ弁当という生活。心配したキョウコはバイトを辞めて帰宅したコナツさんを食事に誘います。

 

第三弾にして初めてキョウコはコナツさんのプライベートのことを聞くことになりました。

コナツさんは自由に楽しく生きている人なのだと思っていましたが、彼女も彼女なりに悩んで、選んで、自分の生活をしていることがわかりました。職業が旅人というくらいだから、なんだかがつがつして豪快な人なのかと思っていましたが、キョウコとの会話でなかなか踏み込んだことを聞いてこなかったり、あまり積極的に話題を振るタイプではなく、とても意外に感じられました。

コナツさんは33歳。海外でふらふらもしていられなくなった彼女はこれからどうしていくのか。

キョウコ自身も将来を心配しながら生きている人なので、コナツさんとキョウコは似ていないようでちょっと似た部分があるみたいです。

 

コナツさんの年齢とフラフラ感はかなりリアリティがあるというか、なんとなく「自分がそうだったら…」と想像したときにちょっと、かなり将来が不安になる状況だと思いました。

どこかに所属するのが嫌で、コナツさんのように海外にいった経験が豊富な人ならもう起業して自分で働き口を作るくらいが良いんじゃないかと適当なことを思ってしまいます。

 

 

 

『ネコと昼寝』は小さな出来事が少しずつ時間をかけて起きていくような感じなので、全体の感想を書くのがちょっと難しく感じました。

なので、今回は特に印象に残ったコナツさんのことをツラツラ書いてみました。

『ネコと昼寝』は『働かないの』よりもキョウコの心が鬱屈としていなくて少し安心しました。ただ、キョウコ自身の拠り所、アイデンティティのようなものがないみたいで、そのことで時折暴走してしまいそうなのが今後も心配な点です。

 

 

ちなみに最後の最後でキョウコの母が病院に搬送されるのですが、あんなに嫌な母親がいざ倒れるとキョウコはしっかり心配しているのです。私は心が汚いのか、冷たいのか、肉親であっても嫌な奴ならきっと病院に搬送されたという連絡を受けてニヤニヤしてしまうんじゃないかと思います。

一般的にはどうなんでしょう。

普通はたとえ嫌いな肉親でも、命の危険が迫れば心配するものなんでしょうか。

 

 

れんげ荘物語第二弾『はたらかないの』の感想はこちら

 

第一弾『れんげ荘』の感想はこちらです。

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