ここ数日、めっきりやる気というものが私の心身から消滅してしまい、寝て起きるだけの物になり果てている。本当に。
こうなると意識は当然のように自死へ向き始める。
私は「死ぬくらいなら好き放題やればいいじゃないか」という思考の持ち主なので、死にたさが募れば募るほど死ねないという天邪鬼っぷりを発揮するため、どうせ自死はしないとは思っている。
まあ、とにかくつまらない毎日を送るのは癪だ。何とかしなければいけない。ので読書する。
今回は群ようこさんではない。
多感な中学生の頃に出会ってしまった暗黒SF作家・小林泰三さんの新作『C市からの呼び声』である。
いままでブログに書いてきた本は大体ほんわか日常系というか、ナチュラルな雰囲気というか、女性向けの柔らかいお話が多かったのだが、本来好んで読んできたのは小林泰三さんの書くSF強めのホラーのようなミステリーのような、グロテスクなお話達だ。
小林泰三さんの作品で初めて読んだのは『脳髄工場』。脳に外付けデバイスである『人工脳髄』を付けることで犯罪を抑制している世界が舞台だ。
『脳髄工場』には他にもいくつか小説が収録されており、その中の一つに『C市』がある。この『C市』が非常に印象に残っている。得体のしれない‟やばい何か”を相手に戦うため、秘密兵器を開発する話なのだが…。
実は『C市』はクトゥルフ神話を元に作られている。C市で初めてクトゥルフ神話を知ったのだが、元ネタを知らなくても純粋に楽しめたのがよかった。
今回の『C市からの呼び声』は『C市』の前日譚。C市は本当に好きな物語だったので、10年近く経っているであろう今、前日譚を読めるというのは本当にうれしいことだ。
小林泰三さんの小説はひねくれていて緻密で精巧に計算されていて、たまにガチの物理をぶっこんだハードなSFがあったり、そうかと思えば得体のしれない不気味さや、思わず身じろぎしてしまうようなグロテスクで痛い描写があったり、とても魅力的だ。
小林泰三さんを初めて知った方におススメしたいのは『アリス殺し』だ。比較的最近の作品。「不思議の国のアリス」のようでそうでないような世界なのだが、魅力的なキャラクターが多く 比較的読みやすい。ホラー、推理小説などの興味がなくても物語として楽しめる。
なんとなくガーっと書いてしまったが、結局のところ小林泰三さんの作品が好きなので、少しでも多くの人に知ってもらいたいのだ。とくに『アリス殺し』は最近の小林泰三作品では本当に読みやすくて面白くて、「あぁ、いいな」って思える作品だったので本当におススメしたい。
4月24日に文庫本が発売されるらしい。お値段もお手頃になる。
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ここ最近本当にやる気が出なくって、ブログも書くことがなくってなにも手を付けられなかった。今日は読む本が届いたしなんとなく何か書いてみようと思って手を付けてみた。
頑張って手を付けると意外と書けるものだ。驚いた。
面倒なので文章の見直しはしないし、脈絡がなくて変な文章もあるかもしれないけど、まあ文章書いただけでもえらいというものだ。やっぱり何かしら書くのは楽しいのかもしれない。