かつてこの世に ボブ・ロス という男がいた。
豊かなアフロを湛えた、穏やかで心優しいその男は、30分で世界を創造する手法をあらゆる人に伝授した。
リキッドホワイトに染まったキャンバスの上に、いともたやすく創られていく美しい景色。
ボブ・ロスの創る世界に、人々は魅了され―――
―――彼を失ってなお、その世界創造の技は、時を超えて受け継がれている。
ということで、今回はかの有名な『ボブの絵画教室』を睡眠導入に使っているという話をします。
ボブの絵画教室とは
ボブの絵画教室(原題:The Joy of Painting)は、1983年~1994年にアメリカで放送されたテレビ番組だ。日本では1990年代前半に放送された。
で、なぜこの番組がこの時代に残るほど人気と知名度があるのかというと
- ノーカット30分で風景画を描き上げる圧倒的画法
- ボブの穏やかでユーモアのあるトーク
- 妙に印象に残る魅力的な吹き替え
主にこの3つの要素が絡み合って、唯一無二の番組になっているからだ。
初見ならニコニコ動画での視聴がおススメ
ボブの絵画教室はyou tubeでも視聴できるが、コメントを読みながら視聴できるニコニコ動画の方がより楽しめるように思う。
特に初めてボブの絵を見るのなら、やはりコメントの反応を見ながらの方が面白いだろう。
ボブの絵画教室は30分番組。
動画だと約15分ずつの前後編に分割されているものが多い。
参考動画を貼っておく。
なんかしらんが眠くなる
たまにこの『ボブの絵画教室』を見たくなるのだが、寝る前に見はじめると、大体2本目を見る頃に眠気がやってくる。
なんとなくだが、ボブが木や茂みを描き始めるあたりからまぶたが重くなってくるように思う。
ボブの描く木は恐ろしく上手い。そして速い。たった数分で、何もなかった場所に森ができる。
だがその速さというのは、決まりきった描き方ゆえのもの。基本的にボブの木の描き方はいつだって同じなのだ。つまりボブが木を描き始めると、見たことのある光景が続く。
そしてボブが木を描き始めるとき、大体絵は完成に近く、番組も終了10分前くらいになっている。
絵の描き始めの頃の、「いったいどんな絵が完成するのだろう」というドキドキ感は薄れてくるのだ。それでも最後の数十秒でさっきまで存在しなかったものが急に現れてしまうのがボブの絵なので、最後まで油断できないのは間違いないのですが
いつも同じ画法、同じ雰囲気の絵になるのに加え、ボブとその吹き替え声優さんの優しい声。
眠くならないはずがない。
そしてそれでも見てしまうボブの絵画教室の悪魔的魅力。
これが睡眠導入に使える理由なのだ。
もし眠れぬ夜を過ごしている方がいらっしゃれば、試してみてはいかがだろうか。
なおこの記事を書くにあたって、ボブの絵画教室について軽く検索をかけるなどしたのだが、海外のASMR系サイトでボブの絵画教室の音声がアップロードされているところがあるらしく、ボブの絵画教室で眠くなるという感覚は世界共通っぽいことを確認しました
実際、ブラシをキャンバスに擦り付ける音とか、ナイフでインクを混ぜるコツコツとした音とか、聞いてて心地良いんですよね・・・