てれひこ屋

日記&雑記帳。日常で感じたこと、好きなゲームのこと、いいと思った音楽のこと、自分のことを入れて煮詰めるための坩堝です。

那須の長楽寺『6匹の猫と住職』読みました!

 

那須の長楽寺というお寺をご存じでしょうか。

SNSyoutubeで人気のお寺さんです。

 

人気の理由は6匹の猫とご住職。

 

ご住職が朝食をとるとき、6匹の猫たちは必ずご住職のそばにいます。

ある子はご住職の膝の上、またある子は椅子のひじ掛けの上、またある子は椅子の下に待機しているなど、猫たちはみんな、朝食を食べるご住職の周りに集結するのです。

ご住職はご飯を一口食べると、いったん手を止めて猫たちみんなにおやつを1粒ずつ分け与えます。

これが那須の長楽寺のいつもの朝食風景なのだそう。

この様子がSNSで大ヒットし、今ではすっかり人気者になっています。

 

 

那須の長楽寺でありのままに生活する猫たちとご住職の写真、そしておかみさん、お姉ちゃんの言葉を収めた本『6匹の猫と住職』が2022年4月18日発売しました。

 

あまり下調べをせず、ご住職と猫たちの朝食風景のペーパークラフトの付録を目当てに買ったのですが、思いのほかいい内容だったのでここで感想を書きたいと思います。

 

 

猫、全部の乗せのてんこ盛り!でもそれだけじゃない

本を読む前は、「きっと猫に関することに全振りなんだろうなぁ」と思い、そこまで期待していませんでした。猫とご住職のかわいらしい写真が見れればそれでいいか~くらいな理由で本を買ったのです。

 

ところが実際に読んでみると、猫と長楽寺、ご住職、SNS・動画担当のおかみさんについて、そしてお寺の役割といった仏教に関する考えなど、那須の長楽寺のファンならうれしい内容が満載でした。

 

1ページに対する情報量や文章量はそんなに多くありませんが、押しつけがましくなく自然体な感じで、これはこれでいいなと感じるような内容です。

また、猫たちが自然とページの中に溶け込んでいるのも素敵だなと思いました。

猫たちのセリフはきっとおかみさんやお姉ちゃんが考えたんだろうなぁとか考えながら読むと、楽しさ倍増です(笑

『お坊さんあるある』の話とか、ご住職の寝言の話なんかは、お寺ならではな感じがして楽しく読ませていただきました!

 

菩提寺のご住職としてのお坊さん

那須の長楽寺は開山から約400年続くお寺です。先祖代々お寺を継いできたそうなのですが、現在のご住職は元々継ぐつもりはなかったそうなのです。詳しい内容は本の内容になりますので控えます。ご住職がお寺を継いだきっかけが気になる方はぜひ本を読んでみてくださいね!

 

地域に密着した一般的なお寺のご住職といっても、普段あまり関わりのない人間からしたら、なんとなく恐れ多いというか、違う世界のような人間のように感じることもあります。あるいはあまり良くない意味でおかしなお坊さんの話も聞きます。お坊さんに限らずとも、その人の人となりを知らないと変に期待をしたり抵抗感を感じてしまったり、勘違いをすることはよくあることですよね。

 

長楽寺のご住職は「ありのままに生きている」とおっしゃいます。

そして仏様と一般の人の間で橋渡しをしているだけだと。

 

私が気になったお坊さんはみんな「自分は普通の人だ」とおっしゃるんですよね。

ものすごい修行をした方も、お寺の住職さんも、その言葉のおかげでグッと身近な存在に感じられるようになりました。

もちろん尊敬はしていますが、「恐れ多い…」とまではいかなくていいんだ!と。

 

動画の中のご住職もおかみさんも、お姉ちゃんも、そして猫たちも、みんな自然体なんです。お寺でお坊さんとして生きているだけで、私たちとなんら変わりなくて。

だた生活の中に仏の教えがしっかりと根付いていて、その中にも"個"はあって、きちんと芯が通っている感じがします。

地域に密着したお寺のご住職だからこそ、普通に生活している一般人とそう遠く離れないような距離感、生き方が大切なのかもしれません。

 

ご住職の言葉に、「裏も表もなくありのまま生きている」「自分に後ろめないことがないのなら、ありのままに生きればいい」というのがありました。

口で言うのは簡単だけど、実際にはむずかしいことですよね。人間誰しも人に見せたくない部分ってありますもん。

ありのままに生きてると言えるのは、それだけでも素晴らしいことだと思いました。

 

 

『6匹の猫と住職』を読んで、お坊さんと一口に言ってもお坊さんになる理由っていろいろあるんだなあと思いました。

実家がお寺だったから、修行したいと思ったから。

もしかしたら本気で悟りたいと思ってお坊さんになった人だっているかもしれません。

ただただ救われたくて仏さまに頼った人もいるかもしれませんね。

 

人それぞれいろんな理由があって今その人がいる。

当たり前のことですが、一人の人としてのご住職の言葉を読んだときにそのようなことを思いました。

 

 

 

『6匹の猫と住職』は自然にページに溶け込んでいる猫たち、そしてご住職、おかみさんの言葉に気持ちが柔らかくほぐされていくような本でした。

正直SNSyoutubeでウケた系の本は大した内容ではないのだろうと高をくくっていましたが、この本においては思いのほか得るものがありました。

 

 

長楽寺の皆様、本の制作に携わってくださった皆様に感謝です。

心のこもった暖かい本をありがとうございました。

 

那須の長楽寺さんの猫さんが好きな方や、お寺が気になる方はぜひ読んでみてください。

 

なおペーパークラフトはまだ作っていません。切るときに失敗しそうで(笑

せっかくそのまま作れるように配慮されているので、コピーせず作ってみたいと考えています。

 

 

 

Amazonのアソシエイトとして、当メディアは適格販売により収入を得ています。