てれひこ屋

日記&雑記帳。日常で感じたこと、好きなゲームのこと、いいと思った音楽のこと、自分のことを入れて煮詰めるための坩堝です。

梅干し職人への道 ―塩漬けから完成まで―

 

初めての梅干しづくり、後編。

 

前編はこれ↓

terehiko.hateblo.jp

 

 

 

塩漬け

というわけで、梅の塩漬け2日目の様子からどうぞ。

 

驚いたことにすでに梅酢が出始めています。

こんなに早く出てくるとは思いませんでした。

香りは相変わらずフルーティ。ほのかに甘いいい香りがします。

 

カビ防止&塩を全体にまとわせるため、ポリ袋の上からなんとなくモミモミ。全体を入れ替えるようになんとなくひっくり返したりしてみました。

 

しかし、梅の実がだいぶ柔らかくなっており、モミモミ中に一部皮が破れてしまいました。ちょっと反省。

 

 

3日目。

ちょっとわかりづらいですが、底の方はかなり梅酢がでています。

この時はまだ溶け切っていない塩が沈んでいました。

 

前日の反省も生かして、モミモミやひっくり返すのは控えめに。

やはり水ペットボトルの重しはしたほうがよさそう。

 

 

4日目。

底のほうは完全に浸るくらい、梅酢がよく出ています。

しっかり重石をして漬けていればもっと梅酢が上がっていたかもしれませんね。今回はポリ袋での塩漬けなので、梅酢の浸かり方はちょっと心もとないかもしれません。

 

ここからしばらくはあまり様子が変わらなかったので写真はありません。

やはり重石を使って梅酢をガンガン出させ、梅も酢に浸かりやすい環境を作ってあげたほうが心配は少なそうです。

とはいえ下準備が功を奏したか、カビは発生しませんでした。やったー

 

そして7日目…。

だいぶ梅酢も上がったような気がします。

参考にしているレシピによると、梅酢が上がったら干して良いとのこと。

ちょっと早い気もしますが、干す準備を始めるとします。

 

梅を干す

今回はシソ漬けにはしないので、いよいよ梅を干す過程に入ります。

梅干しづくりのサビの部分ですね(?)

 

梅を干すときはよく晴れる日が連続する時を選びます。

一般的な梅干しづくりでは、この梅を干す作業は土用のあたりで行うことが多いようです。シソ漬に漬けておいた梅がちょうどいい頃合いになり、梅雨が明けて晴れが続くようになるのが土用の頃だったのでしょう。

あ、鰻と梅干は食べ合わせが悪いっていうけど、それって出来立ての梅のつまみ食いを防止する意図もあったのかな?なんてふと思いました。レシピによっては土用干しの後に梅酢に戻して長期間保存することもあるようなので、その場合は土用干ししてすぐのものをパクパク食べられては困りますもんね。ま、どうせ違うんでしょうけど(笑

 

今年は梅雨明けが異常に早く、この先数日間は雨の心配もなさそうだったで、塩漬けからちょうど1週間で干し始めることになりました。

 

近くのホームセンターで大きめのざるを買っておいたので、いい感じに梅を並べて干していきます。

梅酢から取り出したばかりで、ちょっと液が垂れる。

外で干すのはちょっと心配だったので、物干しの棒の上に置かせてもらいました。風通しはいいし、よく乾くでしょう。

 

この梅を干す作業なんですが、いったいどれくらい干せばいいのかというと、好みの固さになるまで干すのだそう。

目安としては、耳たぶの固さくらいらしい。本当に好みの問題なんだこれ…

梅の実がちょっと固いものも多かったので、そもそもあまり長く干す必要はなさそう。

 

そんなこんなで翌日。

 

…すでに完成では?

触り心地もふにふにしていてちょうどいい雰囲気。むしろこれ以上干してたらスッパイマンになりそう。

 

梅干しとは…?となりつつ、干したという事実にのみ納得をして、とりあえず保存容器に移すことに。

 

完成

ということでできたものがこちら。


思ったよりいっぱいできた!

 

せっかくだから一粒食べてみることに。

 

食感は…ちょっと皮が固い。もう少し熟させたほうがよかったかも。

色も市販のものよりずっと黄色っぽい。

ただ、香りがものすごくいい!

作業中にずっとフルーティな香りがしていましたが、干してもまだ果物のような香りが残っています。これは手作りならではのような気がします。

もっと梅干し感が欲しければ、シソ漬けにしたり、もっと長期間漬けておいたりすればいいのでしょうね。その辺は作り手がどんな味を目指すかによって変わってきそうです。この果物のような風味のある梅干しは、これはこれでおいしいと思います。

 

あとは……想像よりもかなりしょっぱいです!

市販の、塩分数パーセントの梅干しに慣れている身としては、この塩分量はなかなか…。ごはんがないと厳しい!おにぎりにしたら大変おいしくいただけそうですね。

昔ながらの梅干しはこんな感じなんでしょう。保存性を高める必要があったのでしょうし、納得の塩味です。

 

梅干し単体でも食べられるようにするなら、ここからもうちょっと手間をかけて、塩抜きしたりはちみつで漬けたりする必要がありそうです。

自分で作った梅をさらに加工するのは、それはそれで楽しそうですね。凝り性な人や料理好きな人はいろいろ楽しめると思います。梅干しだけで何度でも遊べるドン!

 

 

残っていた梅酢のほうはというと、キッチンペーパーで濾しながら小鍋に移して、一煮立ちさせ、プラスチック容器で保存しています。この梅酢は塩気と酸味があるので、酢の物なんかにするといいらしいです。

また、梅を漬けるときに去年の梅酢を最初から一緒に入れてあげるとカビ防止に一役買ってくれます。毎年梅を漬けるのであればしっかり保存しておきたいですね。

 

 

初めての梅干しづくりを終えて

まず、思っていたより皮が固く、市販のものよりも生っぽいというか、果物味の強い梅干しになったことについて。

 

あと3〜6時間追熟させてたらもっとおいしい梅干しになってただろうなぁと思います。

室温が高いと本当に1時間単位で変化していくといっても過言ではないので、よく見てあげることが大切だと思いました。

本気でやるなら、一粒一粒熟したものから漬け始めるくらいになりそうなくらい。熟し具合に個体差があるので、黄色くなったからすぐ漬け始めるのでは、硬いのと柔らかいのとマチマチになります。

まあそんなにキッチリ見定めなくても、熟し具合によっていろんな食感の梅干しができておもしろいですけどね。手作り感もあるし。

 

あとは漬ける日数。

今回の簡単レシピでは、梅酢が上がったら干し始めていいよ!とのことだったので、とりあえずその通り干してみました。

出来上がった梅干しの独特の果物のような香りや生の果肉感(?)は、この漬け具合によるものなんじゃないかなと思っています。果肉感については熟し具合もあるかもだけど

このフルーティな風味に関しては、個人的にはかなり気に入っているのでいいのですが、梅干しだと思って食べるとやはりちょっと違います。酸味としょっぱさで梅干しというアイデンティティは保っていますが、おそらく好みがわかれる味でしょう。

場数を踏んでいけば自分が納得のいく味を出すにはどんなレシピがいいのかわかっていくのでしょうね。これはちょっとした沼だぞ

 

また、今回の梅干しづくりで感じたのは、意外と本来の「容器でがっつり漬けるレシピ」も面倒ではないかもしれない、ということ。

ポリ袋での保存は確かに楽なのですが、どうしても梅酢が漏れかけてきたり、もれたところからのカビの発生が怖かったりと、若干不安要素があったように思います。

あとは梅酢が思ったより上がってこなかったのも、「ちゃんと漬けたい」と思った一因ですね。

 

まだ梅は売っているので、やろうと思えばもう一度チャレンジすることはできますが、そんなに梅ばっかり作っても仕方ないので、今年の梅づくりはこれにて終了とします。

 

いやー、なかなか面白いかったです。

梅干しはきっと人によって全然味が変わってくるのだと思います。大まかな流れは同じですけど、細かい部分で分岐があるというか…。試行錯誤のしがいがありますね。

 

毎年自分で梅を漬ける人は、きっといろんなこと考えながらやってるんだろうなぁ。

去年のこととか、もっとおいしくしたいなぁとか。うまくできたらあの人に食べてもらおうかなぁとか。

 

 

梅干し職人への道 ― 追熟から塩漬けまで ―

 

6月の末に梅干しづくりに着手しました。

初めての梅干しづくりでしたが、なんとか形になったのでここに記録を残します。

 

 

今回は新聞に載っていた簡単な梅干しの作り方を参考にしました。

 

手順を簡単に紹介すると

  1. 完熟梅1kg を使用する
  2. ポリ袋に 塩180g ・砂糖20g を入れ、混ぜ合わせる
  3. 3のポリ袋に梅を入れ、梅酢が上がるまで放置する
  4. 梅酢が上がったら晴れが続く時期を選んで干し始める
  5. 梅干しが好みの硬さになったら完成

こんなところです。

 

ポイントは『梅1kgに対し、塩180g、砂糖20g で漬ける』『ポリ袋で簡単に漬ける』というところでしょうか。

各段階の細かい説明は、実際の作業手順に沿って補足します。

 

 

初日

で、まずは梅の調達なんですが。

 

 

みてください!この青々とした梅!!

 

はい、さっそくやっちまいました。

その日の勢いで購入してしまったがために、黄色い梅ではなく青い梅を選んでしまいました。

一般的に、梅干しとして漬ける梅は 黄色く熟した梅のほうがいい とされています。青い梅をつけると皮や実が固い梅干しになってしまうのだとか。それでもわざわざ青い梅を選んで漬ける人もいるらしいので、そのへんは好みの問題なのかも

 

今回のレシピでも「黄色く熟した梅を使用する」と記載があったので、青い梅を追熟させることにしました。

追熟は基本放置するだけなので、実はとても簡単。

 

今回は新聞紙を敷いた段ボール箱に青梅を転がし、新聞紙を軽く被せて、まあまあ風通しの良い部屋に置いて追熟させました。

 

傷んでいる梅は早めに取り除いておくといいようです。私が購入した梅には傷んでいそうな梅はなかったので、特に何もせず、袋からザーッとあけてほったらかしにしてました。

 

ということで、上の画像が追熟1日目の梅の様子でした。

 

 

追熟2日目

丸一日放置した梅がこちら。



連日の暑さのおかげか、みるみるうちに黄色くなっています。

ほのかにスモモのようないい香りもしてきました。

短期間にどんどん色が変化していくのがわかり、見ていて楽しかったです。

 

 

追熟3日目

いきなりすべての実が黄色くなっていました。

写真撮り忘れ。↑ は軽く洗った後の梅。

若干青みもあり、もう少し追熟させてもいいかな とも思いましたが、あまり熟させると柔らかくなりすぎて実崩れするらしいので、ビビって早めに引き上げ。

もう少し熟すと一部赤みを帯びるらしい。

このころになるとスモモのような甘酸っぱい香りが強くなり、梅の実がフルーツのように思えました。もっと熟させて柔らかくなったらそのまま食べられそうです。

 

なお青い梅には青酸配糖体が含まれ、消化の過程で青酸が発生し中毒を引き起こすので食べてはいけません。体の小さい子供はとくに注意。

完全に熟した梅か、梅干しや梅酒として 漬ける・干す・加熱する などの加工をした青梅からは青酸配糖体が分解されているのでセーフです。

 

 

梅漬け下準備

熟した梅をキレイにして、塩漬けにする準備をしていきます。

ちょいちょいゴミや汚れがついていたので、軽く水で洗ってザルにあげておきました。黄色い梅は水につけておくと変色してしまうようなので、気になる人はこの過程は飛ばしても大丈夫だと思います。あとで焼酎で拭くときにゴミや汚れは落ちるでしょう

 

続いて、梅のヘタ取り

楊枝や木串でチョチョっとやるとすぐ取れます。実を傷つけないように注意!

ヘタが気にならない方はこの過程は飛ばしてもOK。私が小さいころ食べていた梅干しにはヘタがついていた記憶があります。

 

最後に消毒

梅干しづくりにおいて天敵となるのが カビ らしい。

梅干しレシピを調べると、みんなカビをものすごく警戒していることがわかります。

 

カビ対策に大切なのがアルコール消毒

焼酎で梅の実を拭いたり、直接吹きかけたりしてカビ退治をします。

この時使う焼酎はアルコール度数40度以上の物が好ましいようです。

家にあった焼酎は25度と微妙にアルコール度数低めだったので、アルコール度数40度のテキーラで消毒することにしました。全然飲まれた形跡のなかったテキーラ君、ここにきて大活躍である

 

霧吹きがなかったので 梅の身をテキーラで軽く洗うようにして、ダメ押しでテキーラに浸して固く絞ったキッチンペーパーで拭くなどして梅を消毒。

すっかりきれいになりました。心なしか梅が輝いて見えます。ホワイトバランスちょっといじってるからだね

 

今回はポリ袋で梅を漬けるので、ポリ袋にもテキーラを少量入れて軽くゆすいでおきました。

さらに梅の実もポリ袋も、消毒後は短時間干したり風を当てるなどして水けを飛ばしました。

ここまですればカビも防げるでしょう。

 

 

塩と砂糖、混合

ご家庭で漬ける梅干しレシピの塩分濃度は ほとんどが20%になっています。

塩分を控えめにすると、梅が痛む原因になったり 梅酢が上がりにくくなりカビの発生につながったりするようです。

 

とはいえ、20%はちょっと塩分多すぎない…?となるわけです。

そこで助太刀してくれるのがお砂糖。

塩を少し砂糖に置き換えることで、梅酢は上がりやすくしたまま減塩できるという裏技があるのです。砂糖の脱水作用をうまく使っています。

参考にしたレシピによると、1kgの梅に対し、塩180g、そして砂糖20gで漬けるといいらしい。そのくらいであれば梅干しが甘くなることはないのだとか。

このレシピなら塩分は18%になりますね。

 

というわけで、ポリ袋に塩180g、砂糖20gを計量し、混ぜ合わせます。

 

 

梅塩漬け初日

塩・砂糖を混合したポリ袋に、きれいにした梅の実1kg を投入。

梅に塩・砂糖をまとわせるように、軽くもんであげる。

 

本来なら漬物用のプラスチック容器なんかに梅の実と塩を交互に敷き詰めていく過程ですが、ポリ袋での簡単レシピなのでこんな感じ。

このあと漏れ防止にポリ袋を2枚重ねて、今日の作業は終了。

 

…なんですが、ポリ袋での保存はなんとなく心もとないので、プラスチック容器の中にポリ袋ごと入れておきました。

こんな感じ。とてもおさまりがいいですね。

 

ここから梅酢が上がるまで数日放置になります。

参考にしたレシピでは重石は特に使っていませんでしたが、なんとなく水入りのペットボトルで重しをしておきました。梅を漬ける過程ではいかに梅酢を早く上がらせるかが大事らしいので、それなら重しはあったほうがいいだろうと思いまして。

 

 

まだまだ長くなりそうなので、ここで一旦区切ります。

次回は完成まで。いつ公開になるか、予定は未定。頑張って書きます。

 

梅干し職人への道-初めて梅を買う-

 

 

父は焼酎に梅干しを入れて飲むのが好きだ。

ポリ袋いっぱいに真っ赤でしょっぱい梅干しが入ったようなのが好みらしく、産直なんかでそういうのを買って帰ると喜んでくれる。

 

 

この時期はスーパーでも梅が売っていて、梅シロップや梅酒づくり用品が大量に並ぶ。

そして新聞には梅干しの簡単な作り方が掲載されるなどしているのだ。

 

父は新聞に載っていたポリ袋でつくる簡単梅干しの作り方を見て、「やろうかな」などと言っていたのだが、新聞を切り抜くだけ切り抜いて、一向に作り始める気配がない。

そろそろ梅の時期も終わるだろうし、やるなら早く買わないと……と、心の中で思っていたのだが、やはり酒を買ってくることはあれど、梅を買ってくることはない。

 

そんな父をみて、母は「私が(梅干しづくりを)やれってことなのかな~」と不満タラタラに言うものだから、「だったら私がやりたい」などと言ってみた。まあ、父が材料買ってきてくれるならね。くらいに思っていた。

 

 

そんな折に、スーパーでふと地産コーナーでまだ梅が売られているのを見かけた。

青梅。完熟梅。1kg、2kg。赤紫蘇。ホワイトリカーウイスキー。氷砂糖。保存瓶。

 

黄色くてちょっと赤みのある完熟梅は、確か梅シロップとか梅酒を漬けるのにつかうやつだ。去年あたり母がやってたのを見た。

なら、梅干し用は…たぶん、きっと、青梅。

 

ちょっと買ってみようかな。

 

と、生まれて初めて梅を買ってみた。

 

 

 

で、帰って父の新聞の切り抜きをよく読んでみると、材料に書かれていたのは完熟梅のほうだった。なんと…。

 

じゃあ、この青梅はどうすれば・・・とネットの知恵に頼ってみる。

青い梅でも梅干しは作れなくないらしいが、やはり黄色く熟した梅を使うのが一般的らしい。

そして。どうやらこの青い梅は追熟すればいいらしい。

 

新聞紙や段ボールに重ならないように並べ、直射日光に当たらない風通しの良いところに置いておくのがいいとのこと。

それくらいなら難しくなさそうだ。

 

ということで、青梅をなんとか生かすべく、現在 梅の追熟中なのである。

 

梅の様子は自分用の記録として一応写真を撮っている。

気が向いたらこのブログで紹介してみようと思う。

もし今後梅干しの話が一切出てこなかったら……「失敗したんだな」と思ってほしい。

 

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