2022年2月20日、歌手で俳優としても活躍された西郷輝彦さんが亡くなられました。
ご冥福をお祈りします。
今まで亡くなった方に関する思い出を語るような記事を書いたとこはなかったんですが、西郷輝彦さんについては楽曲に関する思い出を少し語ってみたいと思ってしまいました。
平成生まれのアラサーが語れる思い出はほんの僅かなもの。ですが、西郷輝彦さんの曲の中には、私にとって忘れられないものがあるのです。
せっかくなので、ここに記しておこうと思います。
私は有名人や芸能人にはとことん疎く、名前を聞いても顔を見ても、何者なのかさっぱりわからないということがかなりの頻度であります。
西郷輝彦さんに対しても同じで、訃報で名前を聞いても誰なのかサッパリわかりませんでした。
ところが、西郷さんの代表曲に『星のフラメンコ』のタイトルを見たとき、「あっ!あの曲の人なんだ!」と思わず反応しました。
実はつい最近、Nさんが『星のフラメンコ』を歌っていたのを聴いたのです。
最初は全く知らない歌だと思って聴いていたのですが、「ほ〜し〜の〜フ〜ラ〜メ〜ン〜コ〜」の部分でハッとしました。
これ、『やっぱり猫が好き』で恩田三姉妹が熱唱してたヤツ!!
平成生まれアラサーの私は、昭和の知識を『やっぱり猫が好き』から得ています。
そう、『やっぱり猫が好き』は昭和の終わりから平成初期にかけて放送していたドラマ。昭和感のあるセリフや時代を感じる小ネタが多いのです。
ドラマが放送されていた1988年~1991年は、今では当たり前にあるコンビニが普及し始めたり、民放全局が仲良く放送していた「ゆく年くる年」が終了して各局が独自の年末番組を放送し始めたりしていた頃です。今でこそ当たり前になっているが当時はまだ新しいものだった、ということが多く、なんだか不思議な気持ちになります。
恩田三姉妹が『星のフラメンコ』を熱唱するのは32話「一緒に寝ようよ」 のラスト。
三女・きみえ の凄まじい寝言で起きてしまった 長女・かや乃 と 次女・レイ子。寝言とは思えないような勢いでくノ一や鞍馬天狗などを次々に演じるきみえに、かや乃とレイ子は大はしゃぎ!次々ときみえに声をかけ、モノマネを要求します。
ところが、しばらく遊んていると、いよいよきみえは寝入ってしまいました。それでもかや乃もレイ子も根気よくきみえにイタズラを仕掛け、寝言を誘います。どうやらきみえは夢の中で幕末を生きている模様。かや乃が「西郷どん、日本の夜明けは近い!」と声をかけると、きみえは眠ったまま起き上がり「いかにもでごわす!おいどんは幸せものですたい!」と威勢よく返事をします。
「近藤〜殿!」
「こんどーです…」
「桂さん」
「いらっしゃい…」
「西郷〜さん!」
寝ながらスっと起き上がるきみえ
「ほ〜し〜のフ〜ラ〜メ〜ン…」
「「「コ〜〜〜〜!」」」
「「「オ・レ!!」」」
きみえの歌いだしに合わせて、かやのとレイ子も混ざり、最後は3人全員で〆!
「一緒に寝ようよ」の中でも印象的なシーンです。
このシーンは一年の振り返りにして総集編でもあるSP版「やっぱり逸見と猫が好き」でも使われていました。
『星のフラメンコ』を知らなくても、西郷さんを知らなくても、楽しそうに歌う恩田三姉妹を見ているだけで笑えたものです。
そして今回、西郷輝彦さんの訃報で『星のフラメンコ』の文字を見て、「あのときの三姉妹が楽しそうに歌ってたあの歌を歌ってた人なんだ」「レイ子の『西郷さん!』の呼びかけであの歌を歌った意味ってそういう言うことだったんだ」としみじみ感じています。
「やっぱり猫が好き」で三姉妹が楽しく歌っていた姿から、昭和を代表する歌手であったことは容易に想像できました。
西郷輝彦さんに関する直接的な思い出というわけではありませんが、『星のフラメンコ』があったからこそ、「やっぱり猫が好き」で笑えました。本人の手から離れたところとはいえ、私の中では未だに『星のフラメンコ』はしっかり記憶に残っています。
こんな素敵な思い出を残してくださった西郷さんに感謝を申し上げるとともに、改めてご冥福をお祈り申し上げます。