今年の梅は和歌山の南高梅。実が大きくて黄色くてきれいな梅でした。
どうやら、よく熟した大きな実は果汁たっぷりらしい。
塩で漬け始めて5日目。梅酢がきれいに上がってしっかり漬かっている!
昨年の物より梅酢の量がものすごく多い気がする。たぷたぷ。
梅の粒も大きくて、よく見る市販の梅みたいだ。さすが和歌山の南高梅。これが本物なんだな。
この頃、ちょうど梅雨らしく雨降りばかりの日が続いていました。
昨年は梅酢が上がったらすぐ干していたけれど、今年は梅雨が明けるのを待つことに。
今年の土用は7月30日頃。そのころになったら梅を引き上げていわゆる土用干しという作業に入ります。まあ、晴れの日が続くのが土用の頃ってだけなので、必ずしもその時にというわけではありません。でも季節や慣習慣例を味わいながらやるのが梅づくりの醍醐味でもあるかもしれないな。
――そうして梅を放置すること1か月以上。
天気予報は1週間ずっと晴れ。
梅雨明けの発表を今か今かと待っていた……!
この頃になると、梅酢や梅がうっすら赤くなっていました。
赤しそは使っていないのですが、時間を置くことで梅の実が自然と赤みを帯びていたのかもしれません。漬け始めたころとは大違いで、市販の梅にかなり近い風貌になっている。いい顔になったな。
東北の梅雨明け発表を受け、すぐさま干す作業にかかりました。ウキウキ梅干し作業。
去年は梅が干からびるのが怖くてすぐに引き上げていましたが、今年は梅自体がかなり肉厚なので、三日三晩しっかり干してもいいはず。
いい感じに並べた。
一番上の列の2粒はエグザイルとかでいうと歌う人だと思う。歌う梅2粒。それより下の列はみんな踊る方の梅。
日中は風通しの良い場所で干し、夜になったら梅の実をひっくり返して引き続き干す。
これを梅干しが程よい固さになるまで続けます。その目安が三日三晩。
梅をひっくり返すのの1回目の時は、まだ柔らかさを感じる梅があり、去年との違いを感じました。ちゃんと果肉が柔らかいというだけで""本物""を感じる。
2日目以降は全体的に梅の実が引き締まってきた印象。
そして3日目。…まあ実質4日目になるんだけど、いよいよ梅の実を回収しました。
ふっくら肉厚の梅。色もきれいでおいしそう。
……まあ光の関係で写真でみると変な感じにみえるけど。でもいい面構えになったと思いませんか?
本来ならここからじっくり寝かせて、味が馴染んだ頃に食べるのですが、なんせこの見た目。早く食べたくてしょうがない。
ということで一粒味見。
う~ん、しょっぱい!!正直酸っぱさよりしょっぱみが勝つくらい。でもちゃんと梅干しの味だ。
そして……食べ終わった後にかすかに舌に残る妙なえぐみ。
なんだこれ。ちょっとおもってたのと違うぞ。去年の梅はひたすらフルーティーで、実が小さかったからかちょっと固くて、でもえぐみはなかったような。
う~ん、寝かせておけばこのえぐみはとれるのだろうか。
ちょっと怪しい感じですが、見た目的にはものすごくおいしそうなんだよな~~。
いずれにせよ、この粒の大きさでこのしょっぱさは、さすがに単味では食べられそうにない!塩抜きすっぞ!!
出来た梅を100gほど容器に移して、400mLの水に漬けて一晩おく。
これでだいたい塩分濃度が10~14%くらいになるらしい。もっと効率よく塩抜きしたのなら、水じゃなくて塩水につけておくと浸透圧の関係で塩分が抜けやすいらしい。
塩抜きできたらざるにあけて水を切り、容器に移して調味液に漬けていきます。目標は昔うちで良く買っていた塩分7、8%のおいしい調味梅干し。
水50mL、みりん大さじ1、ハチミツ約大さじ1 を混ぜ合わせて小鍋へ。ふつふつするまで加熱しました。
出来た調味液を梅にかけて漬けておきます。あとは味がなじむまで冷蔵庫で保存。
で、漬け始めてから5日目。
満を持して食卓へ!!
見た目はかなりいい感じ。さて味のほうはというと。
かなり、やる!
塩味がかなり抜けてほどよい感じに。みりんとハチミツの甘味は前に出すぎず、梅とよく馴染んている!干したてを食べた時のえぐみもない!!
これはけっこうおいしいぞ!市販の梅干しみたいだ!!
我が家でよく食べていた梅干しは、ヤマト運輸で販売していた梅干し。ところがこの梅の取り扱いは数年前に終了し、それ以来これだ!という梅干しになかなか出会えないでいました。
そして今日完成したこの梅は、あの梅干しにかなり近い味わいになっている…!
しいて言えばもうちょっと塩味が控えめで、ハチミツの甘味が強ければなおあの梅干しに近かったように思います。
おもっていたよりもおいしくできました。これは大成功というのでは……?
梅干しづくり2年目にして梅干し職人の領域まできてしまったかもしれないなぁ!(大げさ)
というわけで、今年の梅干しづくり、かなりいい感じでした。調味梅干しもおいしかったです。
あとは塩分調整や味付けがうまくできればもっとおいしくなりそう!とてもいい経験ができました。