テレビのチャンネルを何気なく変えているとドラマらしきものをやっている局があった。とりあえず見ているとスーツを着てピシッとした柳葉敏郎さんが。
これは…踊る大捜査線!!
なんと スピンオフ作品として2005年に公開された『交渉人 真下正義』だった。
うわー懐かしい!!
『交渉人 真下正義』は私にとって姉との思い出の作品でもある。
映画嫌いが映画を克服するきっかけとなった作品
小さいころ映画館で見る映画の大音響が苦手だった。びっくりするし、怖かった。両親も姉も映画は大好きだったけど、私だけは苦手で、「映画見に行こう!」と誘われても、「お留守番してる!」というような子供だった。この映画嫌いは大学生の頃まで続いたのだが、克服する第1ステップになったのは間違いなく『交渉人 真下正義』だ。
この映画は当時大人気だった『踊る大捜査線』シリーズのスピンオフ作品で、ユースケ・サンタマリア演ずるネゴシエーター・真下正義に焦点を当てたものだ。
姉は『踊る大捜査線』シリーズが大好きで、私も姉の横で少しだけドラマを見たことがあった。
ちょうど『交渉人 真下正義』が公開し始めたころ、姉が「見に行こうよ~!」と誘ってくれたのだが、やっぱり映画が怖かった私は遠慮した。『レインボーブリッジを封鎖せよ』のDVDを一緒に見ながら姉はまたしても誘ってくる。私も若干 作品に興味が出てきたものの、やっぱり映画が怖くてなんとか断ろうとしてたのだが…。
『レインボーブリッジ~』には監視システムCARASの設計者・小池という男(小泉孝太郎)が出てくる。眼鏡でオタクっぽい暗ーい男なのだが、眼鏡大好きマンだった私は「この人が出てくるなら『真下』みにいく!」と言ったのだ。こんなしょぼいわき役っぽい人絶対でてこないだろ!と思ってそんなことを言ったのだが
「あ、小池でてくるよ!」
えっ
姉に根負けし小池に釣られた私はウン年ぶりに映画館に足を運ぶことになったのだ…。
町の小さな映画館は映画嫌いにぴったりだった
初めて姉と二人で映画を見に出かけた。
街の小さな映画館で、お客さんは私と姉を含めても5人いるかどうか。それほど人のいない映画館だった。利用者が少なすぎたのか、今ではなくなってしまっている。だから、この映画館を利用したのはこの時が最初で最後だった。
小さなしょぼくれた映画館は、スクリーンの大きさも客席の数も、何もかも小規模だった。イオンシネマなんかと比較したら全然、比べ物にならないような、おもちゃのような規模だ。
おかげさまで音響設備もそこまで迫力のある音を出せるものではなかったようで、大音響の苦手だった私にも優しいボリュームでの上映だった。
もちろん、緊張感のある危険なシーンや盛り上がる場面ではそこそこの音量にはなったが、全体的にマイルドな感じだったので怖がらずに見ることができた。
また、『交渉人 真下正義』は、真下率いるネゴシエーションチームがPCを駆使して交渉の糸口をつかんだり、真下と犯人、その他登場人物との会話だったり、メインがそんな感じなので、派手なシーンは少な目なのもよかった。映画が苦手な人間にとってはありがたい構成だ。
『交渉人 真下正義』の思い出
ちょっとだけ映画の内容に対する思い出めいたものを書いてみようと思う。
まず、映画を見るきっかけになってしまった男・小池。
この小池のやつ、『レインボーブリッジ~』では暗ーいオタクヤロー的な雰囲気だったのに、『真下正義』ではめっちゃくちゃチャラそーな男になっている。衝撃的だった。小泉孝太郎さんということで、元がいいのはわかるんですけどね、チャラチャラしやがって、この小池がー!!といった感じでした。はい。
姉のおかげで『真下正義』にハマってしまったので、姉の買った特典付きDVDも見たし、小説版も読んだ。千疋屋という高級フルーツ屋さんがあることも知った。
確か続編の話もあって、パンフレットでは「次回作はジャンボジェット~」的なことも書いてあった気がしたのだが、待てど暮らせどそれ以上の情報がちっとも出なかったな。きっとどこかで頓挫してしまったのだろう。
そういえば、BSでやってるのをちらっと見たときに爆弾処理班の人が松重豊さんっぽく見えたし、声もそれらしかったので調べたんですが、やっぱりそうだったみたいです。松重さん、踊る大捜査線で見たことある気がしてたんですが、『真下正義』だったとは。
そんなわけで、私の思い出の映画『交渉人 真下正義』。クリスマスの時期の話なので、今見ても季節感なさ過ぎて笑えちゃうんですが、Amazon primeだと無料で見れるようなので、もし興味ある方がいたらぜひご覧ください。小池がな…チャラいんだ、あいつは…。