スコーンです。よろしく。
ということで、ウン年ぶりにお菓子を作りたくなったので、混ぜて焼くだけのお菓子『スコーン』を作りました。
以前一度スコーンはつくったことがあるような気がするのですが、その時はあんまり膨らまない、パサっとしている、横割れなど見る影もない、ベーキングパウダーの味がする、といった有様だった気がするんですよねぇ…。もしかしたら存在しない記憶かもしれない…いやスコーン自体はつくったはず…うーん…
ともかくおいしいスコーンを作れた記憶はないので、今回のスコーンづくりである程度満足できるものを作りたいと思ったわけです。
参考にしたレシピは「おいしい紅茶の愉しみ方 (PHPビジュアル実用books)」というちょい古めの本に載っているもの。10年くらい前の本だと思う。
今はネット上にスコーンのレシピなんて散乱していますが、どのレシピを信用するべきか吟味するのが面倒だったので、なんとなく高尚に、本参照とさせてもらいました。ネットの情報から、たった一握りの自分にとって良いものを見つけ出す作業がめんどいのよ
スコーンの作り方はとーっても簡単。
小麦粉とベーキングパウダーをふるったものに、冷たい角切りバターを入れてざっくり混ぜ込み、牛乳、卵、砂糖を混ぜたものを加えてさらに混ぜ、少し休ませたら型抜きして高温のオーブンで焼くだけ!ね、簡単でしょう?
材料に関してはどれもほとんど同じですが、牛乳を一部ヨーグルトに変えたり、卵を使わなかったり、塩を加えたりと、レシピによって多少違います。
……まあ、材料混ぜて焼くだけとはいえ、それぞれの工程に”コツ”という厄介なものが存在して、そのコツを正しく理解し実行しないことには永遠にうまく作れないお菓子であることには間違いありません。
例えばバターを混ぜる工程ですが、よく「指ですり合わせるようにして~」という表現を見ます。はっきり言ってよくわからん。
しかもこの工程を丁寧にやりすぎると、手の温度でバターが溶けてしまいうまく層ができなくてサクッとした食感がでないらしい。ある程度バターが粉と馴染み切らないまま残っていたほうが、焼いている途中でバターが溶けていき、食感が良くなるんだとか。
バターを冷やしておくのは溶けにくくするという理由なんですが、ほとんどのレシピにはいちいち「なぜそうなのか」ということまでは書いていません。
また、牛乳を混ぜる工程では、こねすぎるとグルテンが出てしまい、固いスコーンになってしまうらしい。でも全くこねないと今度は膨らみ切らない場合が多いようです。
「えっ!でもタイトルで『適当に作るのがコツ』とかかいてるじゃん!!」
と思ったそこのあなた!!
私もそう思いました。
結局のところアレです。
この場合の適当というのは、「適度な」という意味だったんですね。
スコーンを作る上で、やりすぎはご法度。つまりどの工程もいい感じのところでやめとかないと、生地が均一になりすぎてうまくできないよ!ということだったんです!!
な、なんだってー--!!!!
全然「適当に作るのがコツ」じゃねーじゃん。
まあ、これらのことはすべてスコーンを焼き終えてから知ったわけですが、なんだかんだいって今回はちゃんとできたんですよ。
できたものがこちら↓
はい。
めん棒がなかったので適当にラップと手で伸ばしたり、丸型がなかったのでナイフで適当に切ったりした結果ですわ。ここは適当にやっちゃダメなとこ
横割れするどころかなぜか頭がカチ割れそうになっている。
こんなんでも盛り付けると多少はおいしそうに見えるんですよ。
オシャレにいちじくなんて乗っかっちゃってます。全然いちじくだってわからないけど
スコーンと言えば濃厚なクロテッドクリームですが、今回はマスカルポーネチーズで代用しました。ジャムはもちろんいちごジャム。でもカッテージチーズとマーマレードジャムの組み合わせもいいですよ。
見た目は微妙でも、味はおいしかったです。
しっとりしていてバターの風味もあり、外側はカリっとサクッと。湖池屋スコーンではない
私の記憶が正しければ、KFCのビスケットがこんな味だった気がする。
一日経ってもパサつきなし、食感は100点満点。
最後までおいしくいただけました。
正直作っている間はどの状態が正解なのかさっぱりわからなかったんですが、できてみるとなかなかいい感じではあったので、カンと運で正解にたどり着いていたようでした。たぶん、ちゃんとめん棒で伸ばして層を作り、きれいにザクっと型抜きしてたら横割れしてたんだと思う。
焼き菓子っていうのは材料がほとんど同じ癖に、手順や工程が違うだけで本当に多彩なものができますよね。
つまり、それほど 材料の分量、混ぜ方、温度、水分、焼き によって完成形が大きく変わってくるということなんでしょう。そしてそれぞれに変化の理屈がある。
クッキーづくりやケーキ作り、スコーンづくりにハマる人はそういうところが面白いのだと思います。
たまに一つのお菓子の作り方を研究して、それぞれの工程で起こることや、材料同士がどんな状態になっているのか詳しく説明しているものを見かけますが、あれはとても面白いですね。あそこまできっちり理解していれば、自分が理想とする完成形を作るにはどうしたらいいのか、答えを導けそうです。そこまでできたら楽しいでしょうね。
というわけで、久しぶりのお菓子作りでした。