庭、とにかくいろんな草が生えている。
今年植えたトマトやゴーヤ、ズッキーニといった野菜は良いとして、昨年植えた各種ハーブが種を巻き散らかして好き勝手生えているのはいただけない。植えたハーブなら使えばいいものの、我が家もとくに目的なく植えているのものだから、本当に生えっぱなしなのだ。
生え散らかっているハーブの中に、マロウという花がある。どうやらこの花はハーブティーにすると美しいブルーの水色が出るらしい。さらにレモン汁を垂らすとピンク色に変化する。まあ ありがちなやつだ。
一応ハーブとしての効能もあるようで、摘んで保存しておけばいろいろ使い道がありそう。ハーブティーにしなくても、お風呂に浮かべたりしたらオシャレじゃない?
せっかく雑草並みに生えているのだから、片っ端から収穫し、オシャレ好きな姪に送ってあげることを思いついた。
思い立ったが吉日。早速ザルとハサミをもって花を収穫していく。
全部取るのはさすがに可哀想な気もしたので、綺麗に咲いている花を少し残しながら刈り取っていく。
採った花は水で洗って汚れを取り、ザルの上に並べて干していく。カラカラに乾くまで数日待つ。
花を干す作業を終えたところで、ようやくマロウという花について詳しく調べてみると、どうやらこのマロウは1、2日程度で花が枯れてしまうらしい。
ってことは花を残している場合ではないのでは……?
急遽残しておいた花も摘み取り、洗って干すことにした。そもそも雑草化している花に慈悲など必要なかったな!!
マロウを干し始めて3日ほど経過すると、いい感じに乾いてくる。この間雨降りの日が多かったのだが、気温が高かったのと風通しの良い室内に干しておいたのとでうまく乾燥が進んでいる。広げて干しても、結局乾燥が進むと花が萎んでクシャっとなるようだ。
乾燥した花を見て思ったのは、「たくさん花を摘みとっても、乾燥させると意外と収量が少ない」ということ。
そして庭を見ると……。
マロウが、それはそれは綺麗に咲いているのである。嘘だろこないだ根こそぎ収穫したばっかりだぞ
まあね、乾くと思いのほかカサが減ることが分かったからさ、たくさん収穫しといて悪いことはないよね。
やるか、花摘み。
……マロウというやつはなかなか手ごわい相手だ。勝手に株を増やしているせいで庭の変なところからも生えてるし、この間花を摘んだと思ったら数日後にはもう満開。つぼみはまだまだついている。これこまめに花の処理しようと思うと結構大変だな!?
最初はただの思い付きで、「せっかく生えてるんだから有効利用してあげないと」などと上から目線で考えていたが、「花が咲いているときに採っとこう」とか「花小さいし、ある程度量がないとつまらないよね」とか「そもそもつぼみたくさんついててポンポコ花が咲くんですけど!?」とか、思いのほかマロウの花のペースに乗せられていることに気づく。
もはや戦い…。自然との戦いだこれ…!
こうして庭の草……主にマロウとのバトルの火ぶたが切って落とされたのである。
一度ハーブというものに目を付けると、他のハーブにも意識が向く。
カレンデュラというオレンジ色の花は花びらを乾燥させてオイル漬けにするとエキスが取れる。これをヘアオイルや保湿オイルにするといいかもしれない。このカレンデュラもポンポコ咲いている。
ミント系の草は飲用アルコールに付けてチンキというものにするといろいろ使えそう。夏はお風呂に垂らしてもよさそうだ。ミントはもしゃもしゃ生えてるからとりあえず駆逐する勢いで切っとくか。
フェンネルは独特の良い香りが料理に合う。葉が生い茂ってるからオリーブオイルに付けておくといいだろう。種も使えるから楽しみだ。
うちの庭にはオレガノも生えてるらしい。これは香りが良くて肉料理とかに合うらしい。乾燥して保存しておくといいらしい。花が咲く直前が最も香り高いようだ。
対戦相手、多すぎか。
とりあえず、草や花は切って干して保存。もしくはオイルかアルコールで漬ければいい。しばらくはこれを楽しもうと思う。