「才能、ありますよ。」
「“ここにいる才能”」
映画『めがね』冒頭、主人公タエコが宿泊先の宿・ハマダにやってきたとき、オーナーのユージに言われた言葉だ。
タエコがやってきたのは日本の南にある、何もない小さな島。あるのはきれいな海と美味しい食べ物、そしてゆったり流れる時間だけ。
ユージが言ったのは文字通り、その島にいる才能があるということなのだろう。
でもその才能があるってすごく大切なこと。
そこにいる才能がないのにいるのって、たぶん、いずれ苦痛になるから。
どこかに“いることができる”って才能のうちに入るのか?と思う人もいるだろうけど、私は立派な才能だと思う。
2018年10月~12月に放送されたドラマ『僕らは奇跡でできている』では、主人公の・一輝が次のようなことを言う
「誰でもできることは、できてもすごくないんですか?」
だれもが当たり前にできることをできない人がいて、だれもできないことをできてしまう人がいる。
“ここにいる才能”もおんなじなんじゃないかと思う。
みんなにとって居心地がいい場所でも、あなたにとって居心地が悪いなら、あなたにはそこにいる才能がないのかもしれない。
でもこの世の何処かにはあなたが”ここにいる才能“を発揮できる場所があるかもしれない。
そんな場所を見つけられたら…と、私は思う。
ドラマ『パンとスープとネコ日和』でのアキコのセリフに次のものがあります。
「時間は知らない間に、人や場所を変えるような気がします。」
“ここにいる才能”があっても発揮できないことだってあるんだろう。
『めがね』にて、「ここにいる才能がある」と言われたはずのタエコだが、最初は島や宿ハマダのゆったりした雰囲気に馴染めず、別の宿に移ってしまおうと行動する。 しかし、移動先の宿もタエコの思っていた場所ではなかった。
その後タエコはハマダに戻るのだが、それからのタエコはすっかりハマダに馴染んでいた。
ハマダに戻る道中、タエコの中で何かが変わっていたんだろう。
時間の経過でタエコの中の何かが変わっていた。
だから本来持っていた”ここにいる才能”を発揮できるようになった。
時間が「場所」を「私」がいてもいい場所に変えてくれるかもしれないし、「私」が「その場所」にいてもいい人間に変わるのかもしれない。
ただ時間が過ぎるのを待つだけでは何も変化がないように感じるけれど、きっとその中でも人や場所は刻々と変化している。
焦ることもあるけれど、そのうちきっと…
ここまで書いてて気づいたのですが、それこそ『めがね』で本当に言いたかったことなのかもしれません。
自分の思ったことをそのまま書きなぐるようにして書いてしまいました。いつかきちんとまとめられたらいいなぁ。
願わくば、この文章が誰かの心に響いてくれたら。