群ようこさん作の『れんげ荘』第一弾、読み終わりました〜。
全体的にもにょもにょしながら読みました。
だらだら感想を書きます。ネタバレもないけど特に面白くもない感想になるので自分用のメモとか落書き程度ということで。
『れんげ荘』はトンデモ母親と仕事から逃げるようにれんげ荘に住み始めた主人公・キョウコの物語。
この間読み終えた『パンとスープとネコ日和』に相通ずるような導入に聞こえると思います。私もそれをイメージして読み始めたんですが、思ってたよりギスギスしまくってました(笑)
母と娘というものは難しい関係になってしまうこともあるんです。生々しい。
『パンとスープとネコ日和』のときは、主人公と母親の間に確執がありつつも、既に母親は亡くなってしまっているところから始まるので、主人公が母親のことを回想しながら心の整理をつけていく感じだったんですが、『れんげ荘』は現在進行形でギスギスしているのでなんとも言い難い胃が重くなるような感じでした。
『パンとスープと〜』の母親は、主人公からすればちょっと情けない母親だったかもしれないけど、女手一人で主人公を育て上げてくれたし、決して嫌な悪い人間ではなかった。
ところが『れんげ荘』の母親はもう、まさに悪役として書かれている。見栄っ張りをこじらせ過ぎて立派な家を買う。夫が身を粉にしてヨレヨレのスーツを身にまとい働く一方、自分はいい服を来てお稽古事に励むような、それはそれはマジモンのモンスター奥様であった。なお主人公の父親は過労のせいか、50過ぎで亡くなる。とにかくキョウコの母親は自分の理想どおりに事が進まないとヒステリーを起こすような、わかりやすい害悪おばさんだ。
一応、家事は完ぺきにしてくれるし、お花を生けたり料理もちゃんと作ってくれるという点は…まあ評価できる。だけど人間性がとてもダメ。
これまでに読んだり見たりした作品との落差にかなり驚きました。群ようこさんの世界にもそんな人はいるんだなぁ…と。
主人公・キョウコはしょうもない人間関係と仕事に辟易して有名広告代理店を退職、そして母と離れて暮らすため、築40年は軽く超えるという家賃月3万の激安木造アパート「れんげ荘」に住むことにした。晴れて月10万で生活をする貯金生活者となる。
何もすることがなくなったキョウコは結構暇を持て余すことになる。割と最初から最後までずっとそんな感じなので、(この人はこの生活に向いてないんじゃ…)と思ってしまう。それでも再就職しないのは、やっぱりキョウコの中にまだ何かあるからなのかもしれない。ま、キョウコがそれでいいなら、いいんじゃない?といった感じ。
『れんげ荘』は細かいことをいうと「ちょっと怪しいぞ」と思える点はいくつかある小説だからと思えばそこまでだけと。
40過ぎまで一人暮らししたことない人が急に一人暮らしを始めて、いきなりきちっとした食事を作れるのかは少し疑問だ。群ようこさんの作品にでてくる女性はみんなきちっと生活して、きちっと健康的な料理をする印象があるので、キョウコもそれに沿ってはいる。
また、キョウコの兄の娘、キョウコの姪のレイナは11歳なのだが、妙に達観している。子供だから純粋にキョウコの暮らしやれんげ荘のことを評価できるのかもしれない。キョウコのことを肯定してくれるオアシス的な存在でもあるし、レイナがでてくると癒されるのでまあいいかなといったところ。実際の子供も、大人が思っている以上に真理を突いてきたりするものですしね。
『れんげ荘』で欠かせないのが、隣人のクマガイさん。後半になるにつれて、クマガイさんとの関係がよりしっかりしてくる。脳内女優さんとしては、キョウコが小林聡美さんならクマガイさんは当然もたいまさこさんだ。これは間違いない。
クマガイさんこそキョウコの母親的存在のようになっていくのがまたそれっぽい。
とりあえず第一弾を読み終えて、時折「う~ん、これはどうかな」と思う部分もありましたが、後半に行くにつれて結構楽しめました。前半はちょっとイヤーな感じが多かったです。母親の言葉が本当にキツい。
キョウコとクマガイさん、母親との関係が今後どうなっていくのか、キョウコの生活や心はどう変化していくのかは期待できると感じました。
読んでるときはいろいろ感じてたはずなんですが、いざ文章にすると全然かけてないかも…まあ今日はちょっと疲れてるししかたないね(自分に激甘)