てれひこ屋

日記&雑記帳。日常で感じたこと、好きなゲームのこと、いいと思った音楽のこと、自分のことを入れて煮詰めるための坩堝です。

春の法事と生卵

法事。

葬式は何回か参列したことがあったのだが、年忌の法要は初めてだった。

 

朝は三日月が薄っすら空に残されていて、幻想的で雲のないきれいな青空だった。空気もひんやり凛として、妙に心地いい。

 

施設にいる祖母を迎えに行き、お寺へ。古くて立派なお寺の床は歩くと きしきしする。桜が散り始めるような季節なのにお寺の中は肌寒いような気温で、本堂は小さなストーブを何台か焚いて暖められていた。

住職さんがご高齢のため、今は基本的に副住職さんがお経をあげてくださる。副住職は若いお坊さんだけれど、親しみのある雰囲気でありながらしっかり取り仕切ってくださるし、立派な方のように感じる。世代交代のために日々頑張っていらっしゃるのだろう。

慣れない般若信教の音読や焼香をし年忌を終えてから住職さんに挨拶をしに行った。住職さんがいつもいらっしゃるお部屋からは池のある庭園が見える。春らしい緑と桜のコントラストがきれいだった。庭の後ろに建物が何もなく、木々と草っぱらみたいなのが絶妙に借景になっているのも庭の良さを邪魔しなくていいのかもしれない。見るたびに思うのだが、素敵なお庭だ。住職さんのお部屋ということで、お邪魔するときは少し緊張するのだが、この季節は庭に花も咲いていていつもより心をやわらかくほぐしてもらえたような気がする。

いつもは住職さんの奥様がお茶を出してくださるのだが、この日が姿が見えなかった。代わりに副住職さんの奥様がいろいろと気を使ってくださった。人が淹れてくれるお茶はおいしい。適温で淹れてくださっているのがわかるとそれだけでうれしくなる ポットの温度があらかじめ低めになっているから適温になるのは当たり前といえばそうなのだが、それでも気遣いは気遣いなのだ

 

法事が終わるとお食事会へ。

食事の内容的にはそんなに法事の会食として代わり映えしない内容だったのだが、一人ずつ鍋物が用意されていたのが意外だった。着席するなりお給仕の方が持ってきてくださった生卵により中身のネタバレがされてしまったのだが、その生卵に目をやると…


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ふたごのたまご。

 

ラッキー!かな????

 

双子の卵。一人暮らしの時に一回くらい遭遇したことがあった気もするが、人生でも片手で数えられる程度しか見たことがないのは間違いない。

 

 

今回の法事、実はかなり嫌々参加したような感じだったのだが、当日の空気や空模様のおかげでかなり気分よく参列することができたように思う。祖父にもきちんとお祈りすることができた。死んだからってその人の生前の行いがすべて許されるわけではないし許しているわけではないが、こういう機会にきちんと手を合わせて自分の気持ちを含めてお祈りすることで、なんとなくのけじめというか、気持ちの整理をつけることができるような気がしている。それに、祖父も本当に頑張って生きたのだがら、私がその人生にケチ付けるようなことは絶対にできないし、それこそ人の人生を貶めるのは許されないことだ。多少ひねくれた思いではあるが、これにて自分なりの供養としたい。ゆっくりと なにも心配せず眠ってほしいというのは、本心なのだ。

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