てれひこ屋

日記&雑記帳。日常で感じたこと、好きなゲームのこと、いいと思った音楽のこと、自分のことを入れて煮詰めるための坩堝です。

2009年の映画『プール』を見てみた

 

最近さぼりまくっていたので、昨日みた映画のことをちょっと書いてみようと思う。

 

2009年の映画『プール』。小林聡美さん主演で、キャストはドラマ『パンとスープとネコ日和』とほぼ同じ。

 

あらすじとしてはこうだ。

 

さよ(伽奈)は、母・京子小林聡美)がゲストハウスで働いているというチェンマイを訪れる。京子の仕事を手伝う市尾加瀬亮)、不思議な雰囲気を持つ菊子もたいまさこ)、そしてタイ人の少年ビー(シッテイチャイ・コンピラ)と日々を過ごす京子に戸惑いながら、さよの6日間は過ぎていく。

 

 

 

さよ は自由すぎる母・京子に常に戸惑っている。

勝手にさよと祖母を置いてタイに住み着き、ゲストハウスをやって、タイ人の少年を面倒見てるだなんて…。

さよが空港に着いた時も迎えに来たのは市尾だけだった。

 

物語が終盤に差し掛かるころ、さよと京子が二人でご飯を食べるシーンがある。

この時さよは初めて京子に自分の胸の内を伝えることになる。

 

何を選べばいいかなんて子供には決められないよ

「そうしたいからそうする」って。でもそれって自分勝手ってことでしょ?

さよは母に想いを伝える

 

自分がやりたいようにするほうがいいよ

それは大人でも子供でもそれは同じことでしょ?

と京子

 

 

ほっとかれた私の気持ち考えたことある?

 

私はお母さんと暮らしたかった!

と言うさよの言葉を京子は気持ちを受け止めながら、京子は自分の考えを特に改めたりはしない。

ここだけみれば「京子はなんて身勝手な親なんだ!」と思えるかもしれないが、京子は京子なりにさよのことを信じて祖母に預けていたという。また、人と人とがいつも一緒にいるのがいいとは限らない、とも。

 

 

作中で市尾が「さよさんと京子さんの距離感がいい」という。

たぶんこういうことなんだと思う。

市尾は30歳まで親と一緒に生活していた。だからこそ、一緒にいすぎれば疲れてしまうことを理解している。離れているからこそ保てる距離感があるのだとわかっている。

 

 

タイ人の少年ビーは母親を探している。

作中でも市尾が役場でビーの母親について調べている。

ちょうどさよと京子がご飯を食べながら本音で話し合っているころ、ビーと市尾は、ビーの母親と名乗る女性と面会していた。

結局ビーは「あの人は僕のお母さんじゃないよ」といい、帰っていく。

 

ビーは自分で自分の居場所、そしてやりたいことを決めている。

 

 

おそらく『プール』で伝えたいことはこのあたりのシーンにすべて凝縮されているのだと思う。

だからといってほかのシーンが不要でというわけではなく、このシーンに視聴者の気持ちが移入できるように整えていくためには不可欠だったはずだ。

 

作中で、さよと京子の関係が大きく変わったわけではないが、きっと二人の内面には少し変化があったはず。

さよが帰るとき、京子は空港まで送っていったのだから、それで十分伝わるものだ。

 

 

 

ここからは個人的に「いいなー」と思った部分。

映画の中で、京子がさよのためにベッドメイクをしているシーンで、濃いピンク色の花をベッドにそっと置いている。

これがなんだかとてもよかった。優しさとか労わりとか、歓迎の気持ちが伝わる。

小さなことだけど、こういうさりげないことがグッとくる。

 

あとはもたいさんの謎っぷり(笑)

ラストシーンはいうまでもなくさりげなく菊子さんの最後を表現している。

菊子さんはきっと、さよと京子の心が通ずるのを待ってたんじゃないかなって思います。もたいさんはいつだって誰かの心をそっとつないでくれる存在ですから。

 

 

 

プールは結構好みの映画でした。小・中学生ごろに一度見た記憶はあるんですが、当時はこの雰囲気が全く分からなくて、ビー君が役場から出て駆けていくシーンしか覚えてなかったです。大人になった今、この映画の味がよくわかるようになりました。

 

小林聡美さん主演の映画4作品『かもめ食堂』『プール』『マザーウォーター』『めがね』に関してはそのうち、それぞれの違いや特徴なんかを書いていきたいですね。

この四つの中ならダントツで『めがね』が好きなんですが、やっぱり雰囲気やストーリー性が違うのでその時々で見たいものが変わるんです。

 

 

 

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