例のごとく休日にお蕎麦屋さんへ。 そして例のごとく写真はない。果たしてこのブログにそばの写真を載せるときはくるのだろうか
今回は町中にあるお店に行ってみた。わりと評価が高めで、お昼休みにそばを食べに来る人たちでいっぱいになるようなところだった。私がお店に入ったときはまだ席に余裕がある様子だったが、暫くするとあっという間に埋まってしまった。一人客が多い割にカウンターや長テーブルがないから、余計混んだようになるのだろう。
この日は暑かった。最近昼頃になると暑さのせいで空気が重くねっとりしてくるような気がしている。
お蕎麦屋さんのおすすめメニューとして一番に書いてあったのが冷たい肉そばだったので、素直に従うことにした。
東北は意外と冷たい麺類が充実している。夏のそばの定番といえば冷たい肉そばだ。そば好きな人なら聞いたことがあるかもしれない。肉うどんではない。肉そばだ。
元々は山形県の河北という地域で食べられていたもののようだが、最近ではわりといろんな地域のお蕎麦屋さんで出しているように思う。冷やしラーメンに関しても同様だ。冷やし中華ではなく冷やしラーメン。
肉そばの肉は固く歯ごたえのある親鳥。肉うどんのような甘辛い牛肉の載っかったのとは別物だ。温かいのも冷たいのもあるが、どちらかというと冷たい肉そばのほうが “らしさ” があるように感じる。
と、まぁ肉そばの概要はこんな所だ。
冷たい肉そば。
どんぶりに たっぷりの汁、そして薄切りの鶏肉が蕎麦を隠すほど一面に散りばめられている。ネギが一か所に佇んでいて、味変要員として静かにその出番を待っているかのようだ。
「冷たい」とはいうが、キンキンに冷えているわけではない。常温より少し冷たいくらい。そば自体に多少ぬくもりを感じるような気がする。茹で上がった蕎麦を軽く水でしめてつゆをかけたような温度感だ。
そんな感じなんだっけ?と思いながらもそばを咀嚼すると、ふんわり蕎麦の香りが感じられる。
…おぉ、これはなかなか。
などと通ぶった様なことを思いながら、鶏肉も食べてみる。
薄くスライスされた鶏は親鳥の肉でありながら柔らかく、つゆと絡んで美味しい。そんなに冷たすぎないおかげか、つゆから鶏の油分も適度に感じられてまろやかな気がする。蕎麦との相性もバツグン!クドすぎない味になっている。
この肉そば、おいしいぞ!
途中、一味やネギで味を変えながら夢中で食べてしまった。
箸休め的に小皿に用意された大根ときゅうりのお漬物もパリポリした歯ざわりでいい塩梅。大変美味しかった。
毎度思うのだが、この辺の蕎麦屋で「昼は軽く蕎麦で」というのは大抵通用しない。「美味しい蕎麦でお腹いっぱいにしてってください!」というお店側の気迫のあるお蕎麦でいつもお腹が大満足状態になってしまうのだ。今回も、美味しい肉そばでお腹いっぱいになってしまった。
私が好きなのは江戸っ子の "粋" な蕎麦ではない、田舎蕎麦なのだ。器にたっぷり盛られた、色黒でしっかりした蕎麦をもぐもぐ咀嚼してこそ田舎蕎麦!シンプルで素朴な印象に反し、実はかなり武闘派な力強い食べ物。それが私の大好きな蕎麦だ。
↓今までの蕎麦のはなし↓